飲食店の廃業・閉店手続きの手順とその注意点

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「飲食店を開業したものの売上が伸びずなかなか利益を生み出せない…」
「思い切って設備投資をしてみたものの客足が伸びず借金だけが残ってしまった…」

このような理由から飲食店の廃業を検討されている方に向けて、今回は飲食店を廃業・閉店するまでの具体的な手続きとその時の注意点をご紹介していきたいと思います。

 

ご自身が営んでいる飲食店を廃業・閉店されるということは、とても勇気のいる決断かと思います。

中には、自分にもっと実力があれば廃業に至らなかったのに、とご自身を責めてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

 

ですが、飲食店の廃業率は他の産業と比べても非常に高く、難しい商売であることがわかります。

 

 

飲食店の廃業率は6.4%と全体平均の1.5倍以上

 

このグラフは業種別の廃業率を表したものですが、飲食店の廃業率が全体平均と比べて1.5倍と相当高いことがわかります(※ 2015年時点。中小企業庁が発表したデータを元に作成)

 

飲食店は「立地」や「流行」など、自分自身ではどうしようもないものに大きく影響されます。

特に最近はコロナによる時短営業など、飲食店が廃業を余儀なくされるのも仕方がありません。

 

これを機に、飲食店を閉店して新しいことにチャレンジしていくという選択は決して間違っていません。

廃業という選択は決して失敗ではなく、将来性を見極めることに成功した結果です。

 

それでは、次は具体的に飲食店を廃業・閉店するまでの手順をご説明しますね。

ここでは、法的書類の厳密な書き方というよりは、廃業に至るまでの大まかな流れをご紹介します。

 

 

飲食店を廃業・閉店するまでの具体的な3つの手続き

廃業手続きを取る前に、まずあなたが経営されている飲食店の資産と負債を計算してみて下さい。

回収予定の売掛金や売却して資産化できる事業用財産などを全て計算して、資産の方が負債よりも大きければスムーズに廃業することができます。

 

資産が負債よりも大きい場合は、

① 最終営業日を決め関係者へ廃業の旨を伝える
② 陶器類などの資産と負債の整理
③ 解散確定申告と清算確定申告をおこなう

といった3つのステップで廃業・閉店手続きを進めていきましょう。

 

① 最終営業日を決め関係者へ廃業の旨を伝える

資産が負債を上回っていることを確認したら、最終営業日を決めて廃業の旨を関係者の方に伝えましょう。

最終営業日は、閉店の数ヶ月前に余裕をもって告知することをおすすめします。

(後ほど詳しく解説をしますが、スナックのようにいわゆる「ツケ払い」が盛んに行われている場合、回収までに時間がかるため余裕を持って案内することが重要です)

 

最終営業日を決めたら、廃業の旨を以下の順番で関係者に伝えましょう。

 

(1)仕入先

取引先、特に仕入先には真っ先に廃業の旨を飲食店経営者が自ら伝える必要があります。

仕入先の立場で考えた場合、取引先の飲食店が廃業するということを人伝てに知ってしまうと、その仕入先は「あの飲食店の支払いは本当に回収できるのか」と間違いなく不安になります。

信用を失えば、不要なトラブルに発展することもあるため、早め早めに話を進めておくことが重要です。

廃業を決めたら仕入先の方には真っ先に挨拶にいきましょう。買い掛け金はきちんと支払うことはできるという旨をきっちり伝えることも大切です。

 

(2)従業員

従業員の方には、少なくとも1ヶ月前には廃業の告知をする必要があります。

これよりも遅れてしまうと、1ヶ月の解雇予告手当を支払う義務が生じてしまいます。廃業に至るまでの経緯や従業員への感謝の気持ちを丁寧に伝えましょう。

未払いの残業代などがあれば、忘れずに支払う必要もあるので注意が必要です。

 

(3)お客様

飲食店のお客様への閉店の挨拶も忘れずに行う必要があります。

基本的には店頭に閉店の張り紙を出し、常連さんには直接閉店の旨を伝えるのが良いでしょう。

この時に、お客様のツケの回収も少しずつ進めていくことをおすすめします。

 

 

② 陶器類などの資産と負債の整理

廃業を関係者の方に告知したら、次は資産と負債を整理ます。

飲食店特有の資産の処分・回収についてここでは解説します。

 

(1)店舗物件

ご自身で所有している物件を店舗としている場合はあなた自身の判断で進めていけば良いため大きな問題はありませんが、賃貸物件の場合は明け渡しが非常に面倒になる場合があります。

解約後もその物件を飲食店として貸す予定があれば、そのままの状態で「居抜き」で出ていってもOKとなる場合もありますが、契約内容によっては明け渡しの際に「現状復帰」が必要なこともあります。

当然のことながら、現状復帰には相応のコストがかかるので予めきちんと見積もっておくようにしましょう。

 

(2)食器類

食器類の中でも、特に「陶磁器」などは廃棄にコストがかかる場合もあるので注意が必要です。

知り合いの飲食店等に譲ったり、買い取ってもらえればラッキーですが、不要なものの処分にもコストがかかる可能性があることを考慮し、きちんと見積もっておきましょう。

この点についても、早め早めに周りの人たち(従業員、常連客、近隣の店舗など)に相談し進めていくことが重要です。

 

(3)ツケ

お客様からのツケの回収は意外と厄介になることがあるので注意が必要です。

帳簿上は残っていたとしても、回収できなければ実質的には消えてなくなってしまいます。

ツケがきちんと回収できるかどうかは、お客様との関係性や閉店案内のタイミングに大きく左右されます。

早め早めに動くことで、きちんと回収できるよう根回しをしていきましょう。

 

 

③ 解散確定申告と清算確定申告をする

廃業の際には「解散確定申告」と「清算確定申告」という2回の確定申告をする必要があります。

解散確定申告とは、事業年度の開始日から解散日までの期間の確定申告のことなので、本質的には普段の確定申告と何ら変わりません。

 

一方、清算確定申告は資産と負債の整理を終え残余財産が確定した後にする確定申告のことです。

廃業のためにはこうした税務面の手続きも必須となってきます。

 

 

もっと簡単に飲食店を廃業する方法

今回はかなり簡略化して飲食店廃業までの具体的な流れをお伝えしてきましたが、飲食店を廃業するためには相当の手間がかかることがお分かりいただけたかと思います。

店舗物件を現状回復や不要なものを処分するだけでかなりのお金と時間がかかる上に、法務書類・税務書類の作成は個人では難しいので専門家にお願いする必要もあるでしょう。

 

このように手間隙をかけて廃業するのが面倒だという方の場合、廃業ではなくて「売却(譲渡)」してしまうのも1つの有効な手段です。

 

「うちの飲食店は赤字だから売却できるはずがない…」と思い込んでしまっている方も中には多いかもしれませんが、赤字の飲食店でもきちんとした価格で売却することができますし、負債が資産を上回っていても場合によっては売却可能です。

設備や備品をそのまま活用できるだけでなく、上手く引き継ぐことができればその店の常連客なども引き込むことができるため、買い手側にも大きなメリットがあります。

手間や時間、コストのかかる廃業だけでなく、ぜひ一度「売却(譲渡)」についても検討してみてください。

 

 

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