中小企業の売却金額はこのようにして決まります【利益ベースの計算が基本】

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会社の売却金額の計算方法は主に

[1]マルチプル法...同業他社がいくらの価格かということをもとに売却金額を決定

[2]DCF法…将来の営業利益を予測し、それらを足し合わせた金額で会社売却額を決定

[3]純資産法…会社の純資産 +  営業利益の2~5倍という計算式を元に会社売却額を決定

の3つです。

 

ですが、中小企業の売却金額を計算する場合は[3] 純資産法が最もよく用いられます。

 

ざっくり言うと、中小企業の場合は営業利益の2~5倍という金額で売買されることが多いです。

 

今回は、このような中小企業の売却金額の計算方法を詳しく解説していきたいと思います。

 

ただ、前半の[1]マルチプル法[2]DCF法といった会社の売却金額の計算方法も知っておいて損はないので、まずはこちらについても解説をしていきたいと思います。

 

中小企業の売却金額を計算する時に、マルチプル法とDCF法は使われません

GoogleやYahooで「会社 売却金額 計算」と検索するとよく、会社の売却額はマルチプル法やDCF法で決定します といった趣旨の記事が出てきますよね。

 

ですが、中小企業の売却金額を決定する上ではマルチプル法やDCF法は使われません。規模の大きい会社の売却金額を決定する際にこれらの手法が用いられます。

 

使われない手法その1 マルチプル法

まずマルチプル法ですが、これは上場企業と自分の会社の営業利益を比較し、その比較情報と上場企業の価値を元に、自分の会社の売却金額を推論するという手法です。

 

例えば、あなたが営業利益5億円の町工場を経営しているとしましょう。

 

そして、同時に営業利益25億円のA工業という上場企業も存在するとします。

 

上場企業の企業価値(売却したらいくらになるかという指標)はその会社の株式の価格から計算することができます。

 

ここでは、A工業の企業価値は300億円と計算されました。

 

その場合、あなたの経営している町工場の売却金額は

 

300億円 × 5億円÷25億円 = 60億円

 

ではないかと推論することができます。

 

このように、あなたの経営する町工場の営業利益はA工業の1/5なのだから、会社の売却金額も1/5くらいだろうという方法が、マルチプル法です。

 

(正確には営業利益ではなくEBITDAという指標が用いられるのですが、営業利益のようなものと認識して頂いて問題はありません。)

 

そして、なぜ中小企業の売却金額を計算する上でなぜこのマルチプル法が用いられないかという事ですが、中小企業の上場企業では会社規模が違いすぎるので比較対象として適切ではないからです。

 

マルチプル法は、中小企業ではなく非上場かつ規模の大きい会社の売却金額をざっくりと計算する際に用いられます。

 

使われない手法その2 DCF法

DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)とは、将来に生まれるキャッシュフローを割り引いた金額の合計値で会社の売却金額が決定するというものです。

 

ここでは簡単のために、キャッシュフロー = 事業が生み出す営業利益として話を進めますね。

 

例えば、あなたの会社の事業が年間1億円の利益を生むものだとしましょう。(あなたの会社の事業はこれのみです。)

 

一見考えると、あなたの会社の売却金額は

 

1億円 + 1億円 + 1億円 + ・・・ +1億円

 

といった計算式で決定するように思えますが、ここで「割引率」という概念が登場します。

 

割引率とは、簡単に言うと今すぐに貰える1万円と1年後に貰える1万円では、後者の方が価値は低い という概念です。

 

ここでは簡単のため割引率は10%としましょう。

 

つまり、1年後に貰える1万円の価値は9090円(1万円 + 1.1)で、2年後に貰える1万円の価値は8264円(9090円 ÷ 1.1)ということになります。

 

ここであなたの会社の売却金額は

 

1億円÷(1+0.1)^1 + 1億円÷(1+0.1)^2  + 1億円÷(1+0.1)^3 + ・・・ = 42億円

 

と推論できます。

 

計算式の記号が分かりにくいと思うので解説をすると

(1+0.1)^1 = 1.1

(1+0.1)^2 = 1.1 × 1.1 = 1.21

 

となります。

 

つまり、1年後の1億円の価値は9090万円で2年後の1億円の価値は8264万円という意味です。

 

長くなりましたが、DCF法とは簡単に言うと将来発生するであろう営業利益を割り引いて足した金額が会社の売却額だという理論です。

 

そして、このDCF法が中小企業の売却金額を決定する上で使われない理由ですが、単純に中小企業では2年後3年後の営業利益を正確に予測することが困難だからです。

 

会社売却金額の決定法といったタイトルの本では、よくこのマルチプル法とDCF法が紹介されていますが、どちらも中小企業の売却金額を決定する上では適していません。

 

中小企業の売却金額は純資産で決定します

 

純資産法とは簡単に説明すると、会社の売却金額は

純資産の金額 + 営業利益の2~5倍 で決定するというシンプルな方法です。

 

この手法であれば中小企業の売却金額も問題なく計算できるので、中小企業のM&Aの際にはよくこの純資産法が用いられています。

 

ただ、やはり会社には簿外債務という決算書には乗っていないリスクが付きものですよね。

 

そのため、その分だけ純資産の部分を割り引いて、

 

営業利益の2~5倍という金額で会社売却をすることが、実際には多いです。

 

そのため、あなたの会社の売却金額をざっくり計算したければ、営業利益を2~5倍した金額をイメージして頂ければ実際の売却金額とそこまでズレはないかと思います。

 

おわりに 売却金額の計算方法よりも大切なこと

今回は中小企業の会社売却金額はどのように決定するのか、ということについて詳しく解説をしてきました。

 

ですが、実際には少しでも高く会社を売るよりも、売却における仲介手数料を徹底的に下げることの方がはるかに大切です。

 

M&A仲介会社に会社売却を依頼すると最低500万円の仲介手数料を、会社の売却金額によっては数千万円といった高額な手数料を取られてしまうことも多いです。

 

 

 

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