・金属加工製造業を営んでいる父が急に亡くなってしまった
・製造業を経営しているが人手不足や後継者不足のため、廃業せざるを得ない…
このような理由で製造業の廃業を検討されている方に向けて、今回は製造業を廃業するまでの具体的な手続きとその時の注意点をご紹介していきたいと思います。
とはいえ、製造業を廃業するためには、複雑な法的書類の提出の他工場の売却が必要です。また、工場の売却には通常相当の時間がかかってしまいます。
そのため、製造業の廃業を検討されている方は、一度製造業を会社ごと売却することも視野に入れてみて下さい。
売却ならば廃業と違い、製造業を簡単に手放すことができますし、何よりも金銭的なメリットが大きいです。
わたしたち会社即売.comでは、会社売却に関する相談を無料で承っているので、ぜひ下記のリンクよりお問い合わせ下さい。
この記事の目次
製造業の廃業件数の推移を表したグラフ
このグラフは、中小企業庁が発表しているデータを用いてわたしが作成したグラフです。
このグラフは日本国内において廃業・休業届けが出された製造業の件数を表しています。少ない年でも年間2500件以上の製造業が休廃業していることがお判り頂けるかと思います。
また、グラフを見てみると製造業の廃業件数は近年なお増加傾向にあることが見てとれます。
なぜ、製造業の廃業件数はこれほどまでに多いのでしょうか。
これにはおそらく、
・経営者の高齢化
・後継者をはじめとした人材不足
という2つの原因があるかと思います。
製造業界においては経営者の高齢化が深刻になっています。
そのため、多くの企業が事業承継を試みているのですが、実際に事業承継に成功している企業はごくわずかです。
以前は、息子に事業を承継するというかたちが一般的でしたが、製造業全体の景気を考えると中々そのような選択に踏み切れない、という経営者の方が近年では多いようです。
また、個人補償をそのまま引き継ぐ訳にはいかない、ということもあり娘婿に事業を承継するということも少ないです。
そのため、親族に製造業を承継するくらいであれあ、自分の代で廃業してしまおうと決断する経営者の方が多いようです。
それでは、次は具体的に製造業を廃業するまでの手順をご説明しますね。
なお、ここでは製造業の廃業に関する法的書類の厳密な書き方ではなく、廃業に至るまでの大まかな流れをご紹介したいと思います。
製造業を廃業するまでの具体的な3つの手続き
廃業手続きを取る前に、まずあなたが経営されている製造業の資産と負債を計算してみて下さい。
回収予定の売掛け金や、売却して資産化できる機材や工場などを全て計算して、資産の方が負債よりも大きければ倒産ではなく廃業を選択することができます。
そして廃業手続きは
①廃業スケジュールを綿密に立てる
②工場などの資産と負債の整理
③解散確定申告と清算確定申告をおこなう
といった3つのステップで進めていきましょう。
①廃業スケジュールを綿密に立てる
会社を廃業するためには、工場のような会社保有の資産を処分したり、機械をはじめとした会社が契約しているものを全て解約する必要があります。
特に、工場は他の機材と違い非常に転売が難しいです。
そのため、多くの場合は同業他社にその工場ごと売却をします。
ただ、工場の場合はその売却額が大きくなってしまうため、短期間で売却することは難しく、長期間による交渉が必要となります。
そのため、廃業する最低2年前には綿密なスケジュールを立て、廃業に向けて動き出していくことが大切です。
そして、今すぐに製造業を手放したいという方には、廃業ではなく売却という手段がおすすめです。
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②機材などの資産と負債の整理
廃業スケジュールを綿密に立てたら、次は資産と負債の整理を行います。
製造業に特有の資産と負債は以下のようなものが上げられます。
(1)工場
製造業を営んでいる会社の代表的な資産といえば、工場設備です。
製造業を営む多くの企業では、工場はリースではなく会社所有の資産となっているので、廃業のためにはこの工場を売却する必要があります。
しかし先ほども述べましたが、工場の転売は非常に難しく、同業他社に格安で引き取ってもらうというケースが多いです。
(2)機材
機材も工場ほどではありませんが、売却が難しい資産です。
こちらも先ほどと同様に、工場を売却した同業他社にそのまま機材も売却するというケースが多いです。
(3)在庫商品
在庫商品の売却は工場や機材ほど困難ではありませんが、価値が目減りしているので販売先にただ同然で引き取ってもらうというケースが多いです。
そのため、資産を計算する際にはこの在庫商品は無いものとして考えて方が良いと思います。
③解散確定申告と清算確定申告をおこなう
ここからは専門的な内容になってしまうため詳しくは述べませんが、廃業にあたっては解散確定申告と清算確定申告という2回の確定申告を行う必要があります。
解散確定申告とは、事業年度の開始日から解散日までの期間の確定申告のことなので、本質的には普段おこなっている確定申告と何ら変わりません。
一方、清算確定申告は資産と負債の整理を終え残余財産が確定した後に行う確定申告のことを指します。
このように、廃業のためにはこうした税務面の手続きも必須となってきます。
製造業の廃業には相当の手間がかかる
ここまで、簡略化して製造業廃業までの具体的な流れをお伝えしてきましたが、製造業を廃業するためには相当の手間がかかります。
一般的に廃業手続きは創業手続きの数倍煩雑なのですが、中でも製造業の廃業手続きは群を抜いて複雑です。
工場といった大規模な資産を売却することは困難ですし、その売却の目処が立たなければ、いつまで顧客との取引を続ければ良いかというスケジュールを立てることすら難しいです。
そして、そのような廃業手続きが面倒に感じる方には、製造業を売却してしまうという方法がおすすめです。
工場を売却するのに2年もかかりその後に複雑な廃業手続きをするくらいであれば、会社ごと売却してしまう方が断然良いです。
うちの製造業は赤字だから売却できるはずがない…と思い込んでしまっている方も中には多いかもしれませんが、赤字の製造業でもきちんとした価格で売却することができますし、負債が資産を上回っていても場合によっては売却可能です。
廃業に比べて売却は圧倒的に楽な上金銭的なメリットも大きいです。
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