鍼灸院の廃業手続きとその注意点

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・長い間施術してきたが体力的な限界を感じたため、そろそろ鍼灸院を廃業したい
・お客さんがなかなか集まらず経営が厳しくなったため鍼灸院を廃業したい

 

このような理由で鍼灸院の廃業を検討されている方に向けて、鍼灸院を廃業するまでの具体的な手続きとその時の注意点をご紹介していきたいと思います。

 

とはいえ、鍼灸院を廃業するためには、施術用品の現金化や店舗物件の解約だけでばく、様々な法的書類の提出が必要になります。

 

そのため、鍼灸院の廃業を検討されている方は、一度鍼灸院を店舗ごと売却することも視野に入れてみて下さい。

 

売却ならば廃業と違い、鍼灸院を簡単に手放すことができますし、何よりも金銭的なメリットが大きいです。

 

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鍼灸院の廃業推移を表したグラフ

 

 

このグラフは、東京商工リサーチの調査をもとにわたしたちが独自に作成したグラフです。

 

このグラフは日本国内において廃業した療術業の件数を表しています。

 

東京商工リサーチでは鍼灸院をマッサージ業や整骨院と同じ療術業という分類として扱っているため、この中に鍼灸院が含まれています。

 

このグラフから鍼灸院を含む療術業の廃業件数が年々増加していることが読み取れますが、これはなぜでしょうか。

 

これはおそらく、リピーターを掴めなかったことが最も大きな要因になっているかと思います。

 

多くの鍼灸院は、肩こりや首の痛み、腰痛といった症状の治療を得意としています。

 

これらは慢性的なものであるため、一度来た患者さんは今後も複数回、鍼灸院を利用するはずです。

 

一方、鍼灸による治療はこれら以外の数多くの症状に対して有効(WHOに認められています)ですが、風邪のような比較的軽度の症状の患者さんは、やはりクリニックや病院に行くでしょう。

 

つまり、鍼灸院を安定的に経営していく上でカギになることは
・肩こりや腰痛で慢性的に悩んでいる患者さん
・治療に時間のかかる病気にかかり、鍼灸院と病院を併用している患者さん
に複数回来院してもらうということになります。

 

リピート率を如何にして下げないかということがポイントになります。

 

当然、鍼灸院の廃業にはこれ以外にも大きな要因があります。

 

さて、鍼灸院の廃業に関する考察はここまでにして、次は具体的に鍼灸院を廃業するまでの手順をご説明しますね。

 

なお、ここでは鍼灸院の廃業に関する法的書類の厳密な書き方ではなく、廃業に至るまでの大まかな流れをご紹介したいと思います。

 

 

鍼灸院を廃業するまでの具体的な3つの手続き

 

廃業手続きを取る前に、まずあなたが経営されている鍼灸院の資産負債を計算してみて下さい。

 

資産とは、未回収の治療費や売却して資産化できる治療台や医療機器、鍼灸院が保有している現金やその他の有価証券のことで、負債とは、主に銀行からの借り入れのことです。

 

そして廃業手続きは

1.廃業スケジュールを綿密に立てる
2.資産と負債の整理
3.各種法的手続きを行う

といった3つのステップで進めていきましょう。

 

 

廃業スケジュールを綿密に立てる

 

先ほど述べたとおり、鍼灸院には通院している患者さんがいる場合が殆どです。

 

そのため、廃業を決定して新規の患者さんの来院をストップしたとしても、実際に廃業をするのは現在通院しているの患者さんの治療が終わってからになります

 

また、他のはり師やきゅう師、事務の方を雇っていた場合、彼らを解雇しなければなりません

 

法的には30日前に通知するか、それに相当する賃金を払う必要がありますが、従業員にとって、30日は新たな就職先を探す期間としては短すぎます。

 

そのため、鍼灸院を廃業する最低1年前には綿密なスケジュールを立て、廃業に向けて動き出していくことが大切です。

 

そして、今すぐに鍼灸院を手放したいという方には、廃業ではなく売却という手段がおすすめです。

 

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資産と負債の整理

 

廃業スケジュールを綿密に立てたら、次は資産と負債の整理を行います。

 

鍼灸院に特有の資産は以下のようなものが上げられます。

 

・治療台、ベッド
再利用できれば他の鍼灸院に売却するということも考えられますが、そこまで高価なものでない場合は廃棄するのが良いと思います。

 

・鍼、もぐさ
額も高くないので、よほど量が多くない場合は廃棄して良いかと思います。
鍼に関しては廃棄方法が通常のゴミと異なるので、行政の指示に従い適切に処分する必要があります。

 

・店舗物件
多くの場合鍼灸院は賃貸ですが、物件を自社所有している場合はそちらも売却する必要があります。

 

 

各種法的手続きを行う

 

鍼灸院を廃業するためには、各種廃業手続きをする必要があります。

 

さらに通常の廃業手続きに加え、保健所に施術所廃止届を出す必要もあります。

 

ミスなくやらなければならないため、行政書士や司法書士をはじめとした専門家とともに進めていくことをオススメします。

 

 

鍼灸院の廃業には相当の手間がかかる

 

ここまで簡単に鍼灸院廃業までの流れをお伝えしてきましたが、鍼灸院を廃業するためにはかなりの時間がかかります。

 

そして、鍼灸院の廃業手続きが面倒に感じる方には、鍼灸院を店舗ごと売却してしまうという方法がおすすめです。

 

「鍼灸院ってそもそも売却できるのか」「うちの鍼灸院は赤字だから売れるわけないだろう」と思われる方も多いですが、実は普通の会社と同じように鍼灸院は売却することができますし、また、赤字であっても売却することは可能です。

 

廃業に比べて売却は圧倒的に楽な上金銭的なメリットも大きいです。

 

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