現在「後継者が不在である」ということが社会問題となっています。
このことはニュースや新聞で頻繁に記事になっていますが、
実際にはどのくらいの数の会社が後継者不在で廃業してしまったのでしょうか。
この記事では「後継者が不在である」ことがどのくらい深刻な問題なのか、
また後継者が見つからない場合の対処法について説明します。
この記事の目次
休廃業・解散数の推移
このグラフは、2016年度版「中小企業白書」が発表しているデータを参考にして我々が作成したグラフです。
休廃業・解散している会社が年々増加していることがわかります。
休廃業とは、特段の手続きをとらず、資産が負債を上回る状態で事業を停止することです。
解散とは、事業を停止するために必要な清算手続きに入った状態になることで、基本的には資産が負債を上回っている状態で行います。
いずれのケースも借金が返せなくなるような倒産とは異なります。
これらの件数が10年ほどの期間で、なんと2倍にまで増加しているのです。
後継者不在廃業の現状
赤字だけが原因ではない
先ほど参考にした中小企業庁の資料によると、2013年から休廃業・解散した企業約8万社のうち、利益率が0%以上であった会社は50.5%でした。
利益率が0%以上ということは利益が0円以上、つまりその会社が赤字でなかったことを意味します。
赤字でないのにもかかわらず、多くの企業が休廃業・解散してしまっているのです。
やはり後継者不足が原因
以下は先ほどの資料を元に作成した、利益率が0%以上で休廃業・解散した会社の経営者の年齢別割合を示したグラフです。(n=2667)
60歳以上の経営者の割合が約7割となっており、経営者が高齢化していることが数字から見て取れます。
このことから、会社自体はうまくいっているが、後継者が中々見つかないという理由で事業承継が上手く行かず、結果として廃業してしまう企業が多いことがわかります。
これは社会的に見ても大きな損失です。
「会社の経営はうまくいっているが、後継者が見つからない。」こういった理由の廃業は減っていくことが望ましいです。
後継者不在だとどうなるか
「後継者が見つからない」ということは、親族や従業員の中に、会社を継ぐ意思があり、かつその能力もある人がいないということだと思います。
この場合、以下の2つの選択肢が挙げられます。
廃業する
多くの経営者がこの廃業を選択してしまっているわけですが、実はかなり多くのデメリットがあります。
・従業員全員を解雇しなければならない
会社自体がなくなるわけですから、当然、従業員を解雇しなければなりません。
長い間会社と共に切磋琢磨してきた従業員たちが会社の廃業と共に露頭に迷うということは、経営者の方としては可能な限り避けたいことであると思います。
・技術が後世に引き継がれない
会社を廃業すると、今まで積み上げてきた会社のブランドやノウハウ、技術や特許が後世に引き継がれず潰えてしまいます。
「痛くない注射器」で一斉を風靡した岡野工業、昔懐かしの駄菓子「梅ジャム」で有名な梅の花本舗といった会社が持つ優れた技術や商品は、廃業のために、誰にも引き継がれませんでした。
このように大事な技術や商品が会社と共に消えていってしまうのは、社会的に見ても大きなマイナスと言えるでしょう。
・手元に残るお金が少ない
会社を廃業する場合、残った資産の分だけ、株主(多くの中小企業の場合は経営者)の元へお金が戻るわけですが、後述のM&Aによって会社を売却する場合より低くなってしまうケースがほとんどです。
なぜなら、廃業する場合は「もし、このまま稼働していれば稼げていたであろう利益」というものが考慮されず、さらに、売却する場合より高い税率で税金が計算されるからです。
これらの理由から、可能な限り廃業は避けたいものです。
M&Aによって第三者に承継する
廃業の他に、M&Aによって会社を第三者に売却するという選択肢もあります。
M&Aとは企業の合併や買収のことで、現在事業承継の手段の中で最も勢いのある方法です。
経営者が持っている会社の株式を第三者に売却し、経営権を移譲します。
経営者は変わりますが、会社自体は新しい経営者のもとで存続しますので、会社がなくなるという事はありません。
M&Aによる事業承継にはそのほかにも様々なメリットがあります。
- 老後の資金を手にすることができる。
- 個人保証や担保提供から解放される。
- 承継後も従業員の雇用が保証される。
他にもメリットをあげるとキリがありませんが、万が一、廃業を決断されることがあったとしても、このM&Aによる事業承継を是非、考慮に入れたいところです。
後継者不在の場合の対策
前述の通り、廃業にはたくさんのデメリットがある一方、M&Aによって会社を第三者に売却すれば多くのメリットを享受できます。
そのため、後継者が見つかりそうにないことがわかった時点で、M&A仲介会社に登録するか、ファンド等の売却先を探し始めることを強く勧めます。
ただ、M&A仲介会社は買い手が見つかるのに時間がかかり、かつ多額の手数料が発生するため注意が必要です。
そのため、費用をできるだけ抑えてかつスピーディーに売却を進めたい場合はM&A仲介会社を通さず、自己資金で会社を買収できるファンド等に直接会社を売却することを強くおすすめします。
おわりに
ここまで見てきたように、経営自体は上手くいっているものの、後継者が見つないために廃業してしまうということが頻繁に起こっています。
少子高齢問題を鑑みれば、この現象はこれからさらに増加していくと考えられます。
冒頭で申し上げた通り、後継者不足は非常に厄介な社会問題なのです。
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